楽観ムードは危険!市場が警戒する「CAPE」と「悲惨指数」

楽観ムードは危険!市場が警戒する「CAPE」と「悲惨指数」

 マーケット(株式市場)には株価の堅調さを背景に、楽観ムードが漂っている。「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)はピークを過ぎた」と。

 欧米では経済活動が徐々に再開されつつある。日本の「緊急事態宣言」は大部分(39県)が解除された。「もう大丈夫」。本当にそうだろうか。

 ここ数週間、大手証券の強気リポートが相次いでいる。すなわち、「株価の2番底はない」とか、「コロナショックは短期終息型になる」など。「今年はSell in Mayのジンクスは考えなくてよい」と主張する人(ストラテジスト)もいる。

 実際、NYダウ、日経平均株価ともに一気に半値戻しの水準を達成した。これまでの反発は想定以上に強い。古来、「半値戻しは全値戻し」という。しかし、この見通しは甘いのではないか。

“苦境”は始まったばかりである。単純に考えて大恐慌以来といわれる景気の落ち込みを3~4カ月で克服できるはずがなかろう。ちなみに、4~6月期のGDP成長率はアメリカがマイナス42%、EUが同44%、日本が同24%となる見通しである。

 NY市場にはエール大学のシラー教授が考案した投資尺度「CAPE」(Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)がある。これは景気循環などの変動を調整したPER(株価収益率)の改良版だ。現在、この数値は27ポイント(20ポイントを超えると要警戒)と、割高感を示唆している。

 もっと重要な指標が経済学者のオークンが提唱している「悲惨指数」だ。これはインフレ率+失業率の計である。これが10ポイントを超えると、国民の多くが生活苦を訴える。

 現状はどうか。直近の消費者物価上昇率は0・45%、失業率は14・7%、計15・15%だ。足元の株高を喜んではいられないと思うが……。

(経済評論家・杉村富生)

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